企業の研究開発部門などで使われている検査治具ですが、名前を聞いてもピンと来る人は少ないのではないでしょうか。検査治具というのは特定のものではなく、その時々によってその場で作られるものを言います。例えば、製品の強度を測るために重りを繰り返し落とすという実験があるとします。その回数を数える為に、振動もしくは音をカウントする検索時を作って自動的にカウントさせるのです。

規程の回数に達するとランプが付いたり、アラームで知らせるようにでも作っておきましょう。この辺りは実験を行うスタッフが分かりやすければなんでもいいので、定められているものではありません。こうした機能を持つ検査治具は、この研究所では非常に利用価値の高いものですが、他へ持ち出しても役には立たないのです。また、商品として作る訳ではないので、見た目もかなり適当な形になっているのが普通です。

配線が向きだしになっていたり、ランプがちょっと目にまぶしいぐらいの強さだったりするのも当たり前で、使えればいいという精神で運用されています。他の研究施設で同じ検査治具を作るとしても、別の形になるぐらい検査治具というのは千差万別であり、あまりにも個性的な存在と言えるでしょう。あまり誰でも知っている存在という訳ではありませんが、毎日使っているという人もいるクセの強い存在なのです。その場で作られる事も多く、非常に個性の出る治具と言えるのではないでしょうか。