検査治具といっても、一般の人はほぼ聞いたことも見たこともない用語と思われますし、何のことか分からないかもしれません。検査に使う用具とか道具といった意味なのかもしれないが、治具とは何なのかと想像するくらいだったりします。実は検査治具とは技術的な専門用語であって、意味合いとしては検査のために用いる用具とか道具と考えて実態としては決して間違ってはいません。何かの工場で製品とかその部品を製造するようなシーンで良く用いられます。

例えば何らかの部品を作る場合、当たり前のことですがそれには規格というか仕様が定められているはずで、典型的な規格には例えば長さがあり、この部品の長さは例えば5.5cmでなければならないとされたりするわけです。さて、では完成した部品について、本当に規格どおりの5.5cmの長さかどうか、どのようにチェックするのが適切だろうかということになります。そんなことは小学生でも分かることであって、物差しを当ててみれば済むことに決まっていると思われるかもしれませんが、確かに理論的にはそれで間違ってはいなくても、製造の現場では必ずしも実際的でないことがあります。読み取り誤差もありますし、もっと細かい単位で規格が決まっている場合には人の目視チェックには限界があったりします。

そこで、予めその部品がぴったりとはまるような別の用具を作っておき、問題なくはまるかどうかでチェックすれば仕事が速いですが、この別の用具こそが検査治具と呼ばれるものになります。