材料を加工して一定の寸法や形状が求められる場合、それが正しい状態になっているのか確認しなければ意味がありません。これは金属部品を使う自動車や輸送用機器など、複数の部品が正しく配置できることでその性能が発揮されることになるので、確認作業はとても重要な作業になっています。この確認方法には多くの場合で測定機器が利用されますが、それと同じくらいに必要にされているのが検査治具です。検査治具とは特定の部品の形状や寸法を簡単に測定するために作られた器具であり、計測機器のように一部分を調べることしかできないわけではないので、測定時間が大幅に減少できるというメリットがあります。

そのため何度も測定が必要な部品では検査治具を制作することが多くなっていますが、その取扱いには注意事項が存在しています。この注意事項を守っていないと精度が維持できなくなり、検査機器としての役割を果たせなくなってしまうでしょう。検査治具を使用する場合の注意点は、使用する環境を適切な状態に保たなければいけないということです。環境は機械的な調整を行っていなければ気温や湿度が常に変化してしまいますが、この変化は物体に対して膨張や収縮といった変化を与えます。

これは測定時の状況に違いがあると正しい測定ができないということであり、そのような状態で確認作業を実施しても意味がありません。複数の部品が組み合わさって一つの製品になるものであっても、その用途によって許容範囲が異なっています。許容範囲が広ければ測定機器が変化した状態で確認しても有効ですが、狭くなっていると正しい測定ができなければ不良品になるだけなので、精密さを要求される場合は常に一定の環境で使用するように努めてください。